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「選挙供託金違憲訴訟について」

                   2017.5.28 弁護士 宇都宮 健児

1.選挙供託金違憲訴訟の意義について

​(1)日本国憲法前文

   「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」する。

   ~「議会制民主主義」を謳っている。

    選挙のルールを定めた「公職選挙法」の民主化の重要性

(2)憲法15条1項

   ~最判1968(昭和43)年12月4日大法廷判決(三井美唄炭鉱事件判決)

(3)憲法44条

   「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産

    又は収入によって差別してはならない。」

(4)健全な議会制民主主義の発展

  多様な国民の声が政治に反映されることが求められている。

 

2. 貧困と格差が広がり、立候補しようとしても高額な供託金を用意できず、立候補できない人が増えている。

(1)相対的貧困率の悪化

(2)非正規雇用労働者、働く貧困層(ワーキング・プア)の増加

 

3.  選挙供託金制度の歴史と目的の不当性

(1)わが国の選挙供託金制度は1925年(大正14)年の「衆議院議員選挙法改正法」いわゆる「普通選挙法」から始まっている。

(2)目的〜「泡沫候補者や売名候補者を排除し、選挙の混乱を防ぎ、選挙を誠実厳正に実施するため」と説明されてきた。

  真の目的〜無産政党(無産者)の議会進出の抑制

(3)日本国憲法の施行とともに公職選挙法も民主化されるべきだったのになされなかった。

(4)高額な選挙供託金制度は、世襲議員の増加と議会制民主主義の劣化を招いている。

4.  諸外国の選挙供託金制度はどうなっているか

 

5.  供託金違憲訴訟の争点と訴訟の見通し

(1)国側の主張

 選挙制度に関しては国会に一定の裁量権が認められている、と主張。

 憲法47条「選挙に関する事項は法律でこれを定める。」

(2)訴訟の見通し

  私たちの運動にかかっている。

 

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