東京都知事への住宅支援要請書
2017年2月24日
東京都知事 小池 百合子様
避難の協同センター
キビタキの会
原発事故避難者の住宅確保を支援する江東の会
希望のまち東京をつくる会
原発事故自主避難者への住宅提供について東京都独自支援策の更なる充実を要望します
2017年3月末で、福島県の避難区域外避難者(「自主避難者」)に対する住宅提供が打ち切られます。原発事故後、福島から県外に避難した方たちは、家族と離れた母子避難や自宅ローンを抱えたままの避難生活など、経済的・精神的に非常に困難な状況にあります。東京電力などからの定期的賠償を受けられない自主避難者にとって、住宅支援は現状唯一の支援策でした。
「除染しても線量がある程度以上は下がらない」「子どもを育てるのに不安で帰れない」「通える病院がない」「職場に通える場所に住み続けたい」「子どものためにもこれ以上の転校を避けたい」「転校先でのいじめが心配」などさまざまな事情により、帰るに帰れない方が多くおられます。住宅無償提供が打ち切られた後は避難生活をどのように継続するのか、不安を抱えています。
昨年9月、小池知事が都独自の施策として、都営住宅の優先入居を、計300戸を準備、その後も一般公社住宅の避難者枠100戸、雇用促進住宅16戸を準備、国家公務員住宅の継続入居への尽力を頂いた事を私たちは評価します。
しかし、東京都が打ち出した都営住宅の入居枠の拡大については、厳しい収入要件・世帯要件に該当せず、応募資格の権利を得られない避難者が大半です。雇用促進やUR賃貸、市区営住宅などの避難者は最初から応募資格がないこともあり、結果的に仮斡旋として166世帯が確定したのみでした。
雇用促進住宅においては、家賃の3倍以上の収入が要件、国家公務員住宅においては、最大2年間の居住期間制限が定められています。民間賃貸住宅においては、4月以降、借主と貸主の直接契約に移行するため、避難当事者が慣れない土地で自力で契約をおこなう状況にあります。特に東京都は他県に比べて家賃が高く、避難生活を継続するために多額の経済的負担を覚悟しなければならい状況にあります。
いくつかの避難先自治体では、継続して避難を希望する方々に向け、公営住宅への入居円滑化だけでなく、独自の経済的支援策が打ち出されています。北海道、山形県、京都府、愛媛県などで公営住宅の無償提供を延長。北海道はさらに、公営住宅へ転居する世帯に対し、1世帯当たり5万円を補助、民間賃貸住宅や雇用促進住宅等で避難を続ける世帯に対し、 家賃等の1/2助、新潟県は、県営住宅の修繕、引越し費用の補助、家賃支援等の実施を決めています。沖縄県は、民間賃貸入居者に対し、半額の家賃補助を行うとし、福島県による半額の家賃補助と合わせて実質無償となります。
住宅無償提供打ち切りの期限が迫っています。避難されている方々の不安を少しでも解消するため、都として、可能な限り避難者本人の意思が反映される仕組みを整備することが何より重要です。以下のような追加施策を真摯に検討するよう、小池知事に提案します。
要 請 項 目
1.自主避難者への家賃や転居費用などの経済的支援を早急に実施してください。
2.都営住宅などの入居要件を撤廃、もしくは大幅に緩和し、現在でも住まいが決まらない避難者に開放してください。支援から外れる避難者がでないように配慮ください。
3.民間賃貸住宅の継続居住に関し、自治体のサポートをおこなってください。貸主が必要以上の諸条件の提示などで避難者が継続居住を断念する事がないように指導を強めてください。
4.特に小さい子どもがいる世帯、母子避難などで経済的、生活的困難にある避難者、などの実状を丁寧に聞き取り、配慮ある支援をおこなってください。
5.誰も路頭に迷う事のないよう、配慮ある対応をおこなう事を約束してください。
連絡先
避難の協同センター
電話03-5225-7213 FAX03-5225-7214
事務局長 瀬戸
電話090-1437-3502
プレスリリース
【2017年2月24日 記者会見のお知らせ】
「原発事故自主避難者への住宅提供について東京都独自支援策の更なる充実を求めます」
報道各位
2017年3月末で、原発事故後、福島から全国に避難された避難区域外避難者(「自主避難者」)に対する住宅提供が打ち切られます。現在、多くの自主(区域外)避難者は、災害救助法に基づき供与されているいわゆる「みなし仮設」(借り上げ民間賃貸住宅や公営住宅など)に入居していますが、住宅無償提供の期限が本年の3月末に迫っています。その多くが、家族と離れた母子避難や自宅ローンを抱えたままの避難生活など、経済的・精神的に非常に困難な状況にあります。
昨年9月、小池知事が都独自の施策として、都営住宅の優先入居を、計300戸を準備、その後も一般公社住宅の避難者枠100戸、雇用促進住宅16戸を準備、国家公務員住宅の継続入居への尽力を頂いた事を私たちは評価します。しかし、東京都が打ち出した都営住宅の入居枠の拡大については、厳しい収入要件・世帯要件に該当せず、応募資格の権利を得られない避難者が大半です。雇用促進やUR賃貸、市区営住宅などの避難者は最初から応募資格がないこともあり、結果的に仮斡旋として166世帯が確定したのみでした。
公営住宅の無償提供の延長を決めた、北海道、山形県、京都府、愛媛県などのほか、民間賃貸入居者に対し、半額の家賃補助を決定した沖縄件など、本件に関して、各自治体もさまざまな動きを見せています。避難されている方々の不安を少しでも解消するため、都として、可能な限り避難者本人の意思が反映される仕組みを整備することが何より重要です。追加施策を真摯に検討するよう、小池知事に要請いたします。つきましては、避難当事者のみなさまとともに、記者会見を開催します。ぜひ、ご取材ください。 2017年2月22日
記
1.日時:2月24日(金)11:00~11:40
2.場所: 東京都庁記者会見
3.発言者:熊本美弥子さん(避難の協同センター・福島県田村市から東京都に避難)
寺島えな子さん(キビタキの会・福島県南相馬市から東京都に避難)
瀬戸大作さん(避難の協同センター事務局長)
伴敏子さん(原発事故避難者の住宅確保を支援する江東の会)
宇都宮健児さん(希望のまち東京をつくる会代表)
4.主催: 避難の協同センター
キビタキの会
原発事故避難者の住宅確保を支援する江東の会
希望のまち東京をつくる会
連絡先
避難の協同センター
電話03-5225-7213 FAX03-5225-7214
事務局長 瀬戸大作 携帯 090-1437-3502