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子ども・被災者支援法

子ども・被災者支援議員連盟

議連総会を開き、決議・政府申し入れを行いました

2017年2月28日

内閣総理大臣 安倍晋三殿
関係各大臣殿
                   子ども・被災者支援議員連盟

  子ども・被災者支援法の適切な実施に関する決議・申し入れ

 当議連は、「子ども・被災者支援法」を立案した超党派の国会議員の集まりです。私たちは、同法発議者として、同法の目的と理念を実現するために、これまでにもたびたび政府に対して申し入れを行ってきました。
 同法は、支援対象地域における居住継続、他の地域への移動、移動前の地域への帰還のいずれの選択をも自らの意思で行うことができるよう支援し、また放射線被ばくによる被災者の健康上の不安を解消するために最大限の努力を行うことを理念としています。
 ところが、2017年3月末、福島第一原発事故にともなう避難指示区域外からの避難者に対する応急仮設住宅の供与が打ち切られ、多くの被災者が避難前の地域への帰還を余儀なくされており、また応急仮設住宅の供与主体である各自治体が、緊急の対応を迫られています。また、福島県が実施している県民健康調査の甲状腺検査においては、これまで183人が甲状腺がんまたはその疑いと診断されており、同調査の検討委員会は、一巡目の検査(先行検査)においてはがんの罹患統計から推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多く、放射線の影響の可能性も小さいとはいえ完全に否定はできないとしています。さらに二巡目の検査(本格検査)でも68人が甲状腺がんまたはその疑いと診断されています。
 また最近、避難した子どもが避難者であることを理由にいじめを受けていたことが報道されており、避難に伴う差別や人権侵害が問題となっています。
 そこで私たちは、同法を適切に実施し、同法の目的と理念を実現するために、以下のとおり決議し、政府に申し入れます。

               記

1.住宅支援について
 同法二条2項は「支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援」と定めています。
 支援対象地域から避難した人々、そして避難指示が解除され「支援対象地域」となった(また2017年3月末に解除される予定の)地域から避難を続ける人々への避難先での住宅に係る支援は、支援対象地域への「帰還者」への支援と比べ「適切」といえませんし、公営住宅への入居要件の緩和だけで「適切な支援」とはみなせません。二条4項は「被災者の支援の必要性が継続する間確実に実施されなければならない」と定めています。多くの避難者が住宅支援継続の「必要性」を訴えている以上、「確実に実施されなければならない」のです。

1-1.政府は、2017年3月末の応急仮設住宅の供与終了の影響を受ける避難者のうち、避難の継続を希望する者が、帰還を強いられることがないことを確保すること。

1-2.そのために、福島県とともに避難者の意向を把握するとともに、支援法9条に基づき、さらに住宅の確保に関する追加施策を講じること。

1-3.特に、福島県や避難先の自治体が住宅確保に関する施策を講じるにあたって必要な支出について国が財政的手当を行うと同時に、国家公務員宿舎、雇用促進住宅等について、積極的な活用を行うこと。

1-4.また、避難生活の長期化による生活上の負担を解消するための定住支援策として、就労の支援のほか定住に伴って発生する費用・損害を一律・一括で賠償させるなどの具体的な施策を講ずること。

2.甲状腺検査と医療について
 同法十三条2項は「少なくとも、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者(胎児である間にその母が当該地域に居住していた者を含む。)及びこれに準ずる者に係る健康診断については、それらの者の生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものとする」と定めています。
 甲状腺検査を含む健康診断は、「生涯にわたって実施される」と定められており、安易に などの提案で「規模の縮小」「受診のデメリットを強調する」などということがあってはなりません。
 対象は一定の基準以上の放射線量が計測される地域(に居住したことのある者)であり、「福島県内」とは限定していません。事故直後の放射性ヨウ素を含むプルームの移動経路を見て、関東を含むより広い範囲での検査を実施しなければ、この条文を実施したとは言えないのです。

2-1.環境省は、「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」を再開し、県民健康調査の甲状腺検査の結果、特に本格検査における有病率や、他県の自治体が独自に行っている甲状腺検査の結果について検討し、その結果を踏まえ、支援法13条2項に基づく福島県外(特に汚染状況重点調査地域に指定されたことのある市町村)における甲状腺検査の実施について、改めて前向きに検討を行うこと。

2-2.また、支援法13条3項に基づき、県民健康調査により診断されたか否かを問わず、甲状腺がんまたはその疑いと診断された者に対する医療費の減免措置を講じること。

3.「いじめ」問題について
 第二条4項は「被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう、適切な配慮がなされなければならない」と定めています。
 福島県外の人が「放射能が染る」と信じているために「いじめ」が起こる、といった報道が後を絶ちません。「放射能が染る」、「菌」などと呼んで、被害者に接した人々は、本当に「放射能が感染する」などとは思ってはいないのではないでしょうか。本当に「感染する」と恐れたのなら、冷やかしたり、お金を要求するなど、自ら接触を増やすはずがないからです。「放射能は染らない」ことを知りながら、「放射能が染る」と嫌がらせをしていることこそが問題です。これを「放射線の知識」についての問題とすり替えてはなりません。このような避難者に対する排斥は「放射線」に関する無知からではなく、避難者が当たり前に持つ「法的権利」についての無知から生じているのです。
 その証拠に、自主避難をしていること自体をもっていじめられている実態もあります。

3-1.政府は、避難者が、法的権利に基づき避難してきた人々であり、その権利の侵害は違法行為であること、及び法律に以下が明記されていることの周知徹底を図ること。
・原子力発電所の周辺境界の被ばく線量は1ミリシーベルト/年以下に抑える規則があること。
・放射性物質の表面密度が4万㏃/㎡をこえる場所には放射線管理区域の設定が求められること。
・子ども・被災者支援法は「放射線の影響が科学的に未解明であること」、避難をする選択をした場合にも「国が適切に支援する」ことを定めていること。

3-2.政府は、避難者に対する差別・いじめなどの人権侵害に関する実態を把握すること。

3-3.避難者に関与する国・地方自治体や民間主体は、「被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう、適切な配慮がなされなければならない」とする支援法2条4項に基づき、「放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」(支援法1条)中で、避難指示区域内外の被災者への支援を定めた支援法の目的および理念を踏まえ、被災者が置かれている状況についての正しい理解を促進し、被災者への人権侵害を防ぐための施策を講じること。

以上


こども いのち: #子ども被災者支援法 ブログ

​日弁連の意見書『人間の復興を』
正式には  被災者の生活再建支援制度の抜本的な改善を求める意見書
                                                                                      2016年2月19日 日本弁護士連合会
                                           日弁連HPの要約↓ 全文はPDF→
東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故等の経験を踏まえ、一人ひとりの被災者が「人間の復興」を実現するために、「被災者生活再建支援法」を以下のとおり改正すべきである。


1 現行法では、住家被害判定の結果を基礎支援金の適用要件にしているところ、住家の被害のみならず被災者の生活基盤が被ったダメージを個別に把握し、被害状況ごとに支援を適用するよう改めること。


2 現行法では、支援は世帯を対象としているところ、被災者一人ひとりを対象として行うよう改めること。


3 給付内容につき、支援金増額や家賃補助も含めた大幅な拡充を行い、支援方法につき、給付に加え、以下の制度を新設すること。
(1) 被害状況に応じた個別の生活再建支援計画を立てて支援を実行する「災害ケースマネジメント」を制度化すること。
(2) 被災者への情報提供や相談、寄り添い・見守り等とともに、支援計画の実施に関与する「生活再建支援員」を新たに配置すること。

チェルノブイリ法について
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ウクライナやベラルーシでは、原発事故から5年後に「チェルノブイリ法」を制定し、年間被ばく線量が1~5ミリシーベルトの地域では住民に移住の権利が与えられました。(5ミリ以上の地域には住めません)移住を選んだ住民に対して国は、移住先での雇用と住居を提供、引越し費用や移住によって失う財産も補償しました。(移住しなかった住民にも非汚染食料の配給、無料検診、薬の無料化、保養…などを定めて、住民の健康と生活を守ろうとしてきました)ところが、日本政府は今、なんと「20ミリ以下に住民を戻す政策」を進め、賠償を打ち切っています。打ち切られた方の中には、避難先での生活費をまかなえずに汚染地に戻らざるを得ない方もたくさんいます。http://hokinet.jp/10.html
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<チェルノブイリ法>“年1ミリシーベルト”で避難の権利 アレクサンドル・ヴェリキン氏OurPlanetTV(内容書き出し)
白石草(アワプラネットTV)さんと、ロシアでこのチェルノブイリ法の策定に参加されたチェルノブイリ同盟のアレクサンドル・ヴェリキンさんの対談。
ロシアではチェルノブイリ法が成立して以来、汚染地域を4つのゾーンに分けています。
一つ目は疎外ゾーンです。日本でいう警戒区域にあたる地域です。ここは立ち入りが禁止されています。
二つ目は退去対象地域です。
住民が受ける平均実効線量が年間5ミリシーベルトを超える可能性がある地域で、住民は移住すべきとされています。
ここに住んでいた住民は被害補償や社会的な支援を受ける権利があります。
三つ目が移住権付居住地域。
住民が受ける平均実効線量は年間1ミリシーベルトから5ミリシーベルトの地域に当たります。
避難するかどうかは住民自身が判断します。
四つ目は特恵的社会経済ステータス付居住地域です。
年間0.5ミリから1ミリシーベルトの地域です。
医療政策を含む防護対策が行われ、わずかではありますが保証金も支払われます。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2743.html
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「チェルノブイリ法は1ミリから被ばく対策 日本は20ミリまで安全」
ウクライナでは「チェルノブイリ法」の第1章第1条に「放射性物質の汚染地域とされるのは、住民に年間1ミリシーベルトを超える被ばくをもたらし、住民の放射線防護措置を必要とする地域である」と明記し、年間被ばく量が1ミリシーベルト以上の地域には「移住の権利+補償」があり、5ミリ以上には「移住義務+補償」があります。しかし日本政府は「20ミリ以下は安全」として、子どもたちや妊婦さんも含めた避難者を放射能汚染地に戻そうとしています。http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-18754   中村隆市さんブログ

尾松亮氏(関西学院大学災害復興制度研究所研究員)

マル激トーク・オン・ディマンド 第788回(2016年5月14日)VIDEO NEWS
 

少なくともチェルノブイリ法は原発事故の責任主体が国家であることを明記し、年間被曝量が1ミリシーベルトを超える地域に住むすべての人を無条件で補償や支援の対象とする画期的なものだった。同法によって被害者や被災地の線引きが明確になったため、健康被害についても、チェルノブイリの被害者は原因が原発事故だったかどうかの証明を求められることはない。

 翻って、今日本では原発事故の被害者への救済や支援はどうなっているか。チェルノブイリ事故と同じレベル7に区分される福島原発事故では、事故直後に20キロ圏を強制的な避難指示区域に指定した上で、その後も年間20ミリシーベルトを超える被曝が想定される地域を避難の対象地域としたため、最大で16万5千人近くが故郷を追われることとなった。そして、現在も約10万人が避難生活を送っている。

 しかし、日本では事故の第一義的な責任は東京電力が負うことになったため、強制的に避難させられた被害者への賠償は東電が行っている。そして、政府は除染作業を進めることで、年間被曝量が20ミリシーベルトの基準を下回った区域から順に帰還を進めている。避難指示が解除され、避難が強制的ではなくなった区域の住民から順次賠償は打ち切られることになるため、5年に渡る避難を強いられた被害者は被曝のリスクを覚悟の上で、まだところどころホットスポットが残る故郷へ戻るか、賠償の支払いが止まることを前提に、故郷へは帰らないことを選択するかの、二者択一を迫られることになる。(つづく)

 「『これはあきらかに福島原発事故起源ではない』というように、因果関係が明確に否定されないかぎり全部支給する。それが我々の基準です 」

 

 東京電力福島第一原発事故以降に甲状腺がんと診断された子どもに対して、経済的支援を行う「3.11甲状腺がん子ども基金」は、2016年11月28日都内で記者会見を行い、「手のひらサポート」事業(療養費給付事業)の申請受付を開始することを発表した。

 全国からの約480件の寄付金があり、2千万円強が集まったという。第1期の療養費給付申請の受け付けは、今年12月1日から来年3月31日まで行う。
ハイライト動画 https://youtu.be/avOgIvDBN5A
 

  • 出席者 崎山比早子氏(代表理事)、海渡雄一氏(副代表理事)、河合弘之氏(理事)、吉田由布子氏(理事)
     

  • 日時 2016年11月28日(月) 10:30~

  • 場所 日比谷図書文化館(東京都千代田区)

  • 給付対象者は、原発事故以降に甲状腺癌やその疑いがあると診断され、1都14県(東京都、岩手県、宮城県、山形県、福島県、新潟県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、静岡県、山梨県、長野県)に住む25歳以下の患者らで、同基金から療養費10万円を給付する。また、アイソトープ治療(放射性ヨウ素治療)の必要があると診断された患者には追加で10万円を給付するとした。

  • ▲同基金の理事を務める弁護士の海渡雄一氏(左)と代表理事で医学博士である崎山比早子氏

  • 同基金の理事を務める海渡雄一弁護士は、「この基金の重要なポリシーは(福島原発事故との)科学的因果関係を問わずに、甲状腺がんにかかった子どもは、あまねく支援していくというもの。これは、2012年に制定された『子ども被災者支援法』の考え方だと思う」と語った。

  • 「しかし、その後の政府の施策によってほとんど顧みられることがなく、この考え方自身は法律のなかには書かれているけれども、実現せずにいる」

  • その上で、海渡氏は「科学的な因果関係を問わずに支援していくということを国がやらないのであれば、まずは民間でお金を集めて実現していこうではないか」と、この療養費給付事業に込める思いを語った。

  • 2013年5月27日、国連人権理事会が選任した特別報告者・アナンド・グローバー氏は、「『子ども被災者支援法』の基本計画策定に際し、住民の参加を確保すること」などの勧告を発表した。その発表を受けての日本政府の対応は、不十分かつ不誠実であったとして、市民から批判の声が上がっている。詳細については、下記の記事もあわせてお読みいただきたい。

  • 「追加被曝線量、年間1ミリシーベルト以下に低減せよ」 ~緊急集会「原発事故後の人権状況~国連人権理事会でのアナンド・グローバー氏勧告を受けて」 2013.5.29

  • 「政府は被ばくの問題を『科学』という言葉でごまかしている」 〜シンポジウム「国連人権理事会勧告を受けて 福島第一原発事故後の住民保護の現状と課題」 2013.7.24

                 これまでの経緯
「原発事故子ども・被災者支援法 政府交渉」
「被災者自らの選択を適切に支援する」支援法が実際の支援策に活かされていない
「原発事故子ども・被災者支援法」(以下「支援法」)では、「原子力発電所の事故により放出された・・当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」ことを明確に認め、支援策について、被災者ひとりひとりが「居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができる」ように、「そのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」と謳っています。避難者の生活の最も重要な基盤のひとつとなる住宅への支援策は、本来、災害救助法に基づく「みなし仮設」として1年ごとに延長するのではなく、憲法が保障する生存権に基づき、同法で想定されていなかった原発事故汚染に対処するため、「支援法」に基づく抜本的な対策や新たな法制度が必要です。
​2016.1.25 「自主避難者」に対する住宅支援の見直しを求める要請書
「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟
 福島原発震災情報連絡センター

<緑の党/新潟市議会議員/中山均/全文を読む  ←リンク元に政府交渉の資料等あります>

復興庁は10日、「子ども被災者支援法」の基本方針改定案を公表した。支援対象地域について改定案では、「放射線量は発災時と比べ大幅に低減し、避難する状況にない」と明記。今回に限り支援対象地域の変更は実施しないものの、今後、「縮小または撤廃することが適当である」としている。子ども被災者支援法の基本方針は、2013年10月に閣議決定されてから初の改定となる。
 
「原則、帰っていただきたい」
今回の改定案で最大の変更点は、「原発事故発生から4年余が経過した現在においては、空間放射線量等からは、避難指示区域以外の地域から避難する状況にはなく、支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当であると考えられる」と明記されいることである。さらに応急仮設住宅の供与期間が、平成29年度末までとされていることについて、「空間線量が低減していること等とも整合的である」と記述。被災者が、帰還するか他の地域で定住するかのいずれかを選択するよう、判断を迫る内容となっている。
 
子ども被災者支援法は、第一条で「放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」と言及。「一定の基準以上」のある「支援対象地域」の住民は、避難をしてもしなくても、「いずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。」と規定されている。
 
このため記者から、法の趣旨に反するのではないかとの質問が出たが、復興庁の竹下大臣は、「基本的なことは福島に決めていただいて、我々が支援していく構図になっている。住宅、避難の時期等については、基本的に帰っていただきたいと。これは福島の強い思いでありまして、それを期日を示すことで、促進していきたいという思いがある」と説明。自主避難も強制避難も同じく、「原則として、帰っていただきたい。帰らない人は、帰らない人への対応を考えるというのが福島県の立場」と強調した。
 
改定案の「避難指示区域以外の地域から避難する状況にはなく」「支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当である」との文言から、2年後の避難指示区域解除に伴い、子ども被災者支援法の支援対象地域を撤廃することも予想される。
 
避難する状況にない線量とは?
「避難する状況にない線量とはどんな線量か」との質問に対して竹下大臣は、「細かいことは分からない」と回答。法制斑の佐藤紀明参事官は、「外部被曝、内部被曝、食品検査の結果から、発災時から見るとだいぶ低減し、避難する状況にはない」と述べただけで、具体的な線量基準については触れなかった。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  OurPlanetTV http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1939

 

 

2013年の支援方針策定の際も、「一定の基準」があいまいにされたまま、33市町村が指定されたことに対し、多くの市民から疑問の声があがった。さらに追及すると、竹下大臣はこう答えた。
「福島県に180万人の方が生活していらっしゃる。福島県はそのことは福島県は一番、重く考えている。福島県は悩んだ末に、2年間で準備区域や居住区域は帰還しようと決断したわけですから、我々としては、それができるように最大の努力をする。」
 
福島の甲状腺がん「多発」に触れず
前回の基本方針では、支援施策について、数多くの施策を列挙していた。しかし、今回は個別施作策を網羅することをやめ、4つの内容のみを記載するスタイルに変更した。その一つは「住宅の確保」だが、そのほか「放射線による健康への影響調査、医療の提供等」と福島県外で暮らす被災者の支援団体の支援、地方創生分野を活用した政策の展開が挙げられている。
 
「放射線による健康への影響調査、医療の提供等」は、初期被ばく線量の把握や福島近隣県における疾病罹患動向の把握、リスクコミュニケーション事業の充実などが謳われている。その根拠として、環境省の専門家会議の「中間とりまとめ」を引用。「今後も放射線被曝によって何らかの疾病リスクが高まることも可能性は小さい」との記載にとどまり、福島県の甲状腺検査について触れられていない。福島県では、環境省の取りまとめより半年遅い5月18日に、県民健康調査検討委員会「甲状腺評価部会」が、福島県の小児甲状腺がんが通常よる数十倍多い「多発」であるとの「中間とりまとめ」を提出。「被ばくによる過剰発生」か「過剰診断」のいずれかと結論づけている。
 
県外避難者向けの切り札は「地方創生」
今回、突如、基本方針に記載された政策が「地方創生」の活用だ。現在、政府は「地方創生」戦略として、人口減少地域の活力を取り戻すための様々な定住促進政策を展開している。福島から他県に避難している家族の多くは子どものいる世帯であることから、復興庁は、福島以外の地域で定住を希望する避難者に対し、「地方創生」施策を活用したプランを提示できるとの考えだ。「原発事故避難者」向けの定住策は用意できないが、「地方創生」戦略の一環でなら定住は可能だとする。これに対し記者から、首都圏の避難者はどうするのかと質問が出たが、佐藤参事官は「地方創生は活用できなくとも、福島からの支援措置がある」と繰り返すにとどまった。
 

<それ以前の議論が収録されています/詳細はアワプラネットTV http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1939
 

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