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瀬戸 大作

横浜に続いて新潟での福島からの自主避難の子どもへのいじめ報道、土曜の朝、某テレビ局からの番組制作と放映の協力要請の電話をうける。日曜のゴールデンタイムに放映される高視聴率の情報番組だ。なにしろ明日の放映で時間がなさすぎる
内容は、子供がいじめられた経験のある避難者の紹介と、私本人の番組VTR出演による避難者相談の経験と今回の事件の見解だった。しかし、避難の協同センターで共にする避難当事者でもある世話人含め数人とも協議したうえで全てお断りした。断りの理由を以下のように某テレビ局の担当スタッフに伝えた。
① 放映日が明日であり、避難の協同センター内部でも充分な協議ができず、放映時に私たちの考え方が上手く伝わらず意図と違った取り上げられた場合、当事者との信頼関係が壊れたり、組織自体の信頼を失う可能性も否定できない。
② 単なるいじめ問題として伝えられる事への危惧、何故に原発事故による放射能汚染から家族を守るために自主避難した家族の背景や、避難先での苦難が伝えられると確信が持てない。そのような状況で避難者を紹介する事はできない。
③ いじめや偏見は子どもだけに向けられた事でない。避難してきた大人への偏見やいじめは頻発していた。住宅支援打ち切りに関する戸別訪問での「退去通告」と精神的苦痛を強いた暴言、一過性の子どもへのいじめはよくないでは済まされない。
④ 県外避難者の問題だけでなく、福島県内でも放射能の不安を話したくても話せない。いじめや孤独は、福島県内でも多くある。復興は取り上げても、放射能から子どもを守りながら県内で暮らしている人々の思いを報道してこなかった。
⑤ そのような状況で、私たちの意思が反映された番組が放映される確約がない限り協力できない。             (fcebook 12/4)

いじめ問題の取材依頼を断る

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