【自主避難者から住まいを奪うな】刻々と迫る〝追い出し〟期限。のらりくらりの福島県職員に「命がかかっている」と怒りの声~新宿では抗議デモ 2016/10/25
福島県が、原発事故に伴う〝自主避難者〟向け住宅の無償提供を2017年3月末で打ち切る方針を示している事に反対・抗議する動きが加速している。24日には、避難者団体らが福島県職員と4度目の交渉。新宿では〝自主避難者〟の置かれた苦境を理解してもらおうと集会やデモ行進が行われた。「もはや避難する状況に無い」と繰り返す県側は救済に消極的。受け入れ自治体の支援策も種々のハードルが立ちはだかり、避難者救済には不完全だ。一方で、渡米した内堀雅雄福島県知事は、現地の記者に「放射線に対する考え方は人それぞれ」と寄り添う姿勢を示す〝二枚舌〟ぶり。住まいの安定という基本的人権が踏みにじられたまま、空虚な「復興」が推進されようとしている。
【「住み続けるのも人権だ」】 「この5年7カ月、私たちは何も救われていません」。土曜日の新宿アルタ前に、福島県浪江町からの避難を強いられている今野寿美雄さんの訴えが響いた。 住宅の無償提供継続を求めて新宿駅東口で行われた集会とデモ。「子ども脱被ばく裁判」(10月13日号参照)を支援する脱被ばく実現ネットの呼びかけに多くの人が集まった。山本太郎参院議員(自由党)も、被曝リスクを避けるために動いた避難者が深刻な住宅問題に直面している事を知ってもらおうとビラを配り、マイクを握った。 当事者の姿はやや少なかったが、今野さんは「幼い子どもを抱えていると、こういう場にはなかなか来られないよね。周囲の目もあるし。俺が少しでも代弁出来ればと思ってやっているんだ」。自身は現在は〝強制避難者〟だが、政府は帰還困難区域を除く避難指示を、やはり来年3月末にも全て解除しようと進めている。「避難指示が解除されれば、俺達だって〝自主避難者〟になる。立場は同じだよ」と語る。若者や、はとバスの乗客らでにぎわう都心で今野さんは訴えた。自身も小学生の息子を育てる父親。追い詰められていく〝自主避難者〟を想い、目から涙があふれていた。 「福島県民は日本国民では無いのですか?子どもたちは子どもたちを守れないんです。子どもたちを守るのは大人の責任なんです。私たち被害者の声を聴いてください」 貧困問題に取り組んでいる瀬戸大作さんは、今年7月に設立された「避難の協同センター」(公式サイトhttp://hinan-kyodo.org/ 関連記事はhttp://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-25.html)の世話人。 「避難者は貯金を取り崩して生活しているが、手厚い補償を受けていると誤解され、孤立してしまっている。周りの偏見がある状況では、こういう場に顔を出せないのは当然です」と道行く人々に訴えた。「被曝を避けるのも人権。今の住宅に住み続けるのも人権です。絶対に打ち切りを撤回させましょう」と呼びかけた。原発事故被害者は二重三重に人権を侵害されているのだ。 山本太郎議員は「なぜ、新宿でデモをしなければいけないか、分かりますか?」と語りかけながらデモ行進した。原発事故に伴う被曝リスクを避けようと動いた人々が住まいを奪われようとしている状況が、週末のデートや買い物を楽しむ人たちに少しでも伝わっただろうか。
<続く>
http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-67.html
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