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議会質問 紹介  兵庫県高砂市 井奥正樹議員 3月定例会より

○農薬の使用実態について議会で一般質問をしました

キャンペーンに連動して、3月議会の一般質問で公共施設での農薬使用実態をテーマに取り上げました。
全部で5分程度の質問ですが、まずラウンドアップとネオニコチノイド系農薬の危険性について説明。その後、使用実態を聞き、国の通知が守られているか、そして最後に先進自治体の名古屋市のように全面禁止はできないのか、と迫りました。議会の質問にはいくつかの型ががありますが、今回は他の議員や行政に情報を伝える「アピール型(講演型)」で行いました。
質問により、高砂市では学校施設には使用していないものの、公共施設や道路横の樹木の虫駆除や道路脇の除草に農薬を使用していることが判明しました。ラウンドアップについても「試験的に」使用した例もあることもわかりました。
ちなみに緑の党グリーンズジャパンという一人会派で追求型・提案型が多い私の議会質問のため、普段は「否定」から入る答弁が多いのですが今回は様子が違いました。
ラウンドアップやネオニコチノイドの危険性は答弁の中で触れたり、市長が「予防原則」という言葉を使うなど収穫の多いやりとりができました。
ぜひ各自治体議会でも取り組んでいただければと思います。(井奥)

兵庫県高砂市議会議事録より

http://202.221.174.218/kaigiroku/cgi-bin2/ResultFrame.exe
 

平成30年 3月定例会

(第17日 3月20日)


緑の党、グリーンズジャパンの井奥です。
<中略>
二つ目です。ラウンドアップ、ネオニコチノイド農薬への被害を食いとめるためにということです。

二つの種類の農薬が非常に問題になっています。

ラウンドアップというのは、お店でもよく見かける農薬です。特許が切れて、かなり安くなっているみたいです。ラウンドアップというのは商品名で、化合物としては、グリホサートという名前になっています。グリホサートはなかなか分解しない化合物ですので、雨、河川水、飲料水などに検出されるのは、初めて、欧米の調査では、ほぼ9割の方々の体内から検出されていると言われています。この化合物には発がん性があると、国際がん研究機関が発表していたりします。

アメリカでは、ラウンドアップというこの除草剤ですけれど、除草剤が強過ぎるので、大豆が枯れてしまう。だから、大豆で遺伝子組み換え作物にして、大豆は遺伝子組み換えでグリホサート耐性、グリホサートに勝つような力を持つようにしていく。そして、周りをラウンドアップをまいて枯らしていくというようなやり方をしています。当然、こうなると、大豆にはグリホサートなりが残留しますので、このグリホサートの残留値が問題になってくるんですけれど、1999年にわざわざ大豆のグリホサートの含有量を5ppmから20ppmに緩和しています。これは圧力もあったとも言われていますけれど、オーストラリアやイギリスの基準では、0.1ppm以下となっています。これだけ多くの緩和になった瞬間から、薄気味悪いデータがあります。

ちょうどそのころから、東京都の児童の健康調査によれば、食物アレルギーが急激に増加し、2割台にも超えるような状況になっている。そして、この因果関係、グリホサートとアレルギーとの因果関係を指摘する専門家もいます。EUでは、2017年、大規模なグリホサート反対運動が起こり、200万人の署名も集めています。

もう一つです。ネオニコチノイドという農薬もあります。これはハチの大量死とか、赤トンボの激減の原因とも言われています。たばこに含まれるニコチンに似た成分、ネオニコチノイドをベースにする殺虫剤なんですが、1990年に登場し、現在、世界で一番使われている殺虫剤と言われています。ペットののみ取り殺虫剤にも含まれており、環境の影響だけではなく、神経の発達障害の関連とか、人への影響も明らかになりつつあります。グリーンピースなど、環境保護団体や研究科などから、規制強化や適正な環境影響評価を求める声があがっています。

一般的にネオニコチノイドと言われる化合物は、アセタミプリド、イミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、ジアクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラムの7種類で、これに作用がよく似たフィプロニルを加えて、ネオニコチノイド系農薬と呼ぶことが多くなっています。

こういう8種類の化合物ですけれど、まずお聞きしたいのは、グリホサートも合わせて、これらの9種類の加工物、まず一つは、水道水の残留農薬の調査を行っていると思うんですが、検査状況をお聞かせください。どういった基準が設けられており、その基準が超えているかどうか、お聞かせください。

二つ目です。公園や学校、公共施設において、この使用実態は把握されていますか。ネオニコチノイド、あるいはグリホサート系の農薬の使用をしているのかどうか、あるいは別の農薬を使用しているのかどうか、お聞かせください。

例えば名古屋市では、公園のような公共の施設では、農薬使用をしないという自治体もあります。あるいは平成25年の4月26日付ですけれど、国ですら、農薬使用は一応前提ですけれど、住宅地等において、公共のそういった場所では農薬使用をきちんとしなさいと、少なくとも住民に知らせるとか、そういった行為を行いなさいということが書かれております。

名古屋市のように、農薬ゼロを目指す自治体、あるいは国の通知に従って、しっかりと管理をしているかどうか。公園あるいは公共施設、そして、学校、そういったところに即してお答えいただければと思います。

以上で、壇上からの質問を終わります。

副議長 福元 昇君

当局の答弁を求めます。

市長。

(市長 登 幸人君 登壇)

市長 登 幸人君

4番、井奥雅樹議員の一般質問にお答え申し上げます。

1点目の山陽電車におきます連続立体交差事業については私のほうから、それと、ランドアップ、ネオニコチノイド農薬、そういった一般的な見解については私のほうから、あと水道あるいはその施設関係については、上下水道、理事、教育部長から答弁をいたしますので、よろしくお願い申し上げます。

<中略>

ラウンドアップ、ネオニコチノイド農薬の一般的な見解について申し上げます。

グリホサートを主成分とする除草剤とネオニコチノイド系の殺虫剤に係るご質問でございまして、最初に、グリホサートの発がん性に言及したのは、世界保健機関(WHO)の外部機関である国際がん研究機関で、2015年3月に、グリホサートは人に対して恐らく発がん性があるとする調査結果を公表しました。

一方で、2016年5月、国連食糧農業機関と世界保健機関の合同会議において、グリホサートは発がん性を有する可能性は低いと結論づけ、2016年7月には、日本でも内閣府の食品安全委員会の食品健康影響評価において、グリホサートに発がん性は認められなかったと結論づけており、グリホサートの発がん性に関する意見は分かれております。

また、ネオニコチノイド系の殺虫剤は、国内外において、一般用家庭のガーデング用から農業用、新築住宅の化学建材など広範囲に使用されております。ネオニコチノイド系殺虫剤は、昆虫の神経を興奮させ続けることで死に至らしめますが、人に低濃度で、単独使用した場合は、比較的毒性が低いとの意見があります。

一方で、人の脳や神経の発達に悪影響を及ぼすおそれがあると懸念する意見もあり、その毒性については、グリホサートと同じく、意見は分かれておるところでございます。

これらあとこの使用状況等にりましては、先ほど申し上げた担当部長等から説明をさせていただきます。

副議長 福元 昇君

理事。

理事 西村 裕君

私からは、市長部局の公共施設におけるグリホーサートを主成分とする除草剤、あるいはネオニコチノイド系の殺虫剤について、使用状況についてご報告申し上げます。

まず、グリホーサートを主成分とする除草剤について、2箇所で使用の実績がございます。市道の一部、これは通常、市道は草刈り機で対応しておるんですけれども、草刈り機が使用できない部分で試験的に使ったということがございます。

もう1点、総合運動公園のサブグラウンドにおきまして、これもやはりフェンスがある周り、これは草刈り機での対応は困難ということで、フェンスの根元で使用しておるということを把握しております。

それから、もう一つのネオニコチノイド系の薬品につきましては、使用をしておりません。ただ、樹木については、害虫が発生しますと、いろいろ苦情も出たりしますので、その他の薬剤を使用して駆除をしております。

副議長 福元 昇君

上下水道部長。

上下水道部長 今津敏通君

水道水の残留農薬の検査状況についてでございます。

水質検査は、水道法第20条の規定により、51項目の水質基準を検査することが義務づけられており、その検査頻度、検査項目及び基準が省令で定められております。

また、平成15年10月10日付、厚生労働省健康局長名で、水質基準を補完する項目として、水質管理目標設定項目が新たに定められ、農薬類については、この水質管理目標設定項目に定められております。

平成25年4月1日においては、その102項目から120項目に農薬類の分類が大幅に見直され、その後も毎年、目標値などが見直されてきております。その都度、変更内容にあわせて、現在、農薬類120項目の分析を行っておるところでございます。

除草剤の成分の主成分であるグリホサートにつきましては、農薬類120項目に含まれるため、水質検査を行っておりますが、現在までに目標値を超えて検出はされておりません。

次に、ネオニコチノイド系農薬についてでございますが、成分は7種類ありまして、現在のところ、農薬類120項目には入っておりませんので、分析は行っていない状況でございます。

副議長 福元 昇君

教育部長。

教育委員会教育部長 大西 誠君

教育部で所管いたしております施設での除草剤農薬の使用状況でございますけれども、小学校、中学校では、グリホサートを主成分とする除草剤は使用しておりません。一部の公民館で、道路のアスファルトの境目から生えている草のうち、限定的に使用しているケースがございます。

殺虫剤につきましても、ご指摘のネオニコチノイド系の薬品は使用してございません。

副議長 福元 昇君

井奥議員。

4番 井奥雅樹君

前段のところですけど、理事、お話がありましたけれど、先ほど言ったように、市長もまさしく答弁されたように、予防原則から言えば、発がん性があるのかないのか、それは立証はされていませんよ。でも、発がん性があるという議論もあり、ないという議論もあって、かなりそこのところが議論になっているところというのは、少しでもやはり違うやり方をとるべきではないのでしょうか。予防原則というところから言えば。

さらに、名古屋市のように、農薬を一切使わないという自治体が、実際、日本の自治体の中にあるんですから、例えばそういう自治体の先進事例は学べないのでしょうか、お聞かせください。

副議長 福元 昇君

理事。

理事 西村 裕君

先ほど市長のほうから、グリホサート、あるいはネオニコチノイド系のお話について、意見が分かれていると、これは国際的にも意見が分かれるというお話を申し上げました。ただし、いずれもやはりリスクがあるというご意見というか、そういう判断、意見もございますので、そこについて、やはりリスクについては、敏感であるべきというふうには考えます。

先進的にそういう殺虫剤、除草剤を使っていない市等もあるということでございますけれども、市としてどういう方向でいくかにつきましては、関連の部局でまた協議をしたいと考えております。

副議長 福元 昇君

井奥議員。

4番 井奥雅樹君

ちなみに、そのグリホサートの特許を持っていたのは、モンサントという会社なんですけれど、先ほど紹介した遺伝子組み換えも一番やっている、一番そういった種子を売っているところで、この間、今年、種子法という、種を扱う法律が廃止されてしまいまして、兵庫県は、それに対して、先進的に条例なりで、そうじゃないと、やっぱりそういう種子は非常に大事なんだということで、頑張って条例で対抗していこうとしておりますけれど、何かやっぱり国際的な一つの方向性に向かおうという中、例えば発がん性を訴えた書面に対して、このモンサントは、このグリホサートの発がん性に対して、訴訟を起こすと、ある意味でおどしをかけているような状態もある状態なんです。いうようなこともご紹介して、そういった何でわざわざ自分とこ問題ないんだったら、おどしまでかけて、訴訟しなければいけないんだということも考えると、グリホサートの取り扱いについては、極めて慎重に、予防原則の中で、また別の手段があるなら、別の手段を行うべきではないかと考えておりますが、これ市長、いかがですか。

副議長 福元 昇君

市長。

市長 登 幸人君

よくこういう化学物質が人間に対してどう影響を与えるかというのは、まだはっきりとわかっていない分野も多くあると思います。先ほど申し上げたように、意見が分かれるという部分もあろうかと思います。これは意見が分かれているから、一方だけの意見をとって、これは安全だ、いやこれは毒だというような、この一概に決めつけるというのもまたいかがなものかとは思います。ただ、我々とすれば、やはりそういう現実の被害が出て初めて気づくということではなしに、またそれなりのやっぱりその予備知識等を持って、また対応できるところは、先ほど言われたような、そういう対応を事前にとっていく必要もあるのかなというふうに考えておりますので、先ほど理事が答弁させていただきましたように、内部で十分検討させていただきたいと思います。

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